専門業者に頼むほどの予算はないけれど、どうしても玄関をスマート化したい。そんな、あなたのために、最も一般的な「テープ貼り付け型」の後付け電気錠を、自分で取り付けるための手順と、失敗しないためのコツを、詳しく解説します。適切な準備と、丁寧な作業を心掛ければ、あなたの家の玄関も、近未来の扉へと生まれ変わります。まず、準備編です。必要な道具は、製品本体の他に、「脱脂用のクリーナー(アルコールなど)」「きれいな布(ウェス)」「マスキングテープ」、そして「メジャー」です。そして、何よりも重要な準備が、製品選びの段階での「適合確認」です。自宅のドアのサムターンの形状、ドアから壁までの距離などを正確に測定し、購入予定の製品が、問題なく設置できることを、完璧に確認しておきます。ここを怠ると、全てが無駄になります。次に、いよいよ実践編です。ステップ1は、「取り付け面の徹底的な清掃」です。スマートロックの生命線は、両面テープの接着力です。ドアのサムターン周りを、脱脂クリーナーを使って、油分や汚れ、埃を完全に拭き取ります。この一手間が、後々の剥がれを防ぐ、最も重要な工程です。ステップ2は、「正確な位置決め」です。製品の台座部分を、サムターンの中心に正確に合わせ、マスキングテープなどで仮止めし、マーキングを行います。少しでもずれると、モーターがサムターンを正常に回せなくなるため、ミリ単位の精度で、慎重に位置を決定します。ステップ3は、「本体の貼り付け」です。位置が決まったら、いよいよ両面テープの剥離紙を剥がし、マーキングに合わせて、一気に貼り付けます。一度貼り付けると、貼り直しは困難なため、深呼吸をして、集中して行いましょう。貼り付けたら、数十秒間、全体重をかけるようにして、強く圧着します。ステップ4は、「センサーの取り付け」です。ドアの開閉を検知するためのマグネットセンサーを、ドア枠の指定された位置に、同様に貼り付けます。本体との距離や高さが、説明書の規定通りになっているかを確認します。最後に、アプリでの初期設定です。スマートフォンのアプリをダウンロードし、画面の指示に従って、本体とのペアリングや、施錠・解錠位置のキャリブレーション(調整)を行います。全ての設定が終わったら、実際にドアを開け閉めしながら、オートロック機能などが正常に作動するかを、何度もテストしてください。