いつものように郵便物を取り出そうとポストに向かった時、あるいは、カバンの中を探っても、いつもそこにあるはずの小さな鍵が見当たらない。ポストの鍵の紛失は、玄関の鍵ほど緊急性はないかもしれませんが、日々の郵便物を確認できないという不便さは、思いのほか大きなストレスとなります。そんな時も、慌てず、順を追って冷静に対処することが、問題をスムーズに解決するための鍵となります。まず、最初に行うべきは、やはり「徹底的な捜索」です。最後にポストを開けた時の状況を思い出しながら、考えられる全ての場所を探しましょう。上着のポケット、カバンの底、玄関の靴箱の上など、無意識に置いたであろう場所を、もう一度確認します。それでも見つからない場合は、次のステップに進みます。もし、あなたが「賃貸マンションやアパート」にお住まいの場合、自己判断で鍵屋を呼ぶ前に、必ず「管理会社または大家さん」に連絡してください。これは、賃貸物件における鉄則です。多くの場合、集合住宅のポストの鍵は、管理会社がマスターキーを保管していたり、提携する指定の鍵屋があったりします。勝手に鍵を壊したり、交換したりすると、契約違反と見なされ、後でトラブルになる可能性があります。管理会社に連絡すれば、マスターキーで開けてもらえたり、正規の手順で、適正な価格で交換してくれたりします。一方、「戸建て住宅」にお住まいの場合は、「鍵の専門業者(鍵屋)」に依頼するのが一般的です。その際の選択肢は、主に二つあります。一つは、「解錠」だけを依頼し、もしスペアキーがあれば、今後はそれを使うという方法。もう一つは、防犯上の観点から、錠前(シリンダー)ごと「交換」してしまうという方法です。紛失した鍵が悪用されるリスクを考えれば、交換する方がより安心と言えるでしょう。鍵屋に依頼した場合の費用は、解錠だけであれば五千円から一万円程度、交換となると、部品代と作業費を合わせて一万円から二万円程度が相場となります。そして、どちらの場合でも、念のために最寄りの警察署へ「遺失届」を提出しておくことも忘れないようにしましょう。