仕事で共有されたExcelやPDFファイルを開こうとしたら「パスワードを入力してください」と表示され、肝心のパスワードを知らされていなかったり、忘れてしまったりして中身が見られないという状況は、セキュリティ意識の高まりと共にビジネスシーンで頻発するトラブルですが、デジタルデータの鍵は物理的な鍵とは異なり、正しい文字列を入力しない限り絶対に開かないという厳格な仕様になっています。もしパスワードを知っているはずの人が不在で連絡がつかない場合、パスワード解析ソフトなどを使って強引に突破しようとする人もいますが、これは時間がかかる上に成功率も低く、またウイルス感染のリスクもあるため、企業のコンプライアンス的にも推奨される方法ではありません。基本的には、作成者に連絡を取って正しいパスワードを教えてもらうのが唯一の正攻法ですが、もし自分が作成したファイルでパスワードを忘れてしまった場合は、思い当たるパスワード(社内でよく使う共通パスワードや日付など)を片っ端から試してみるか、あるいはバックアップファイルや以前のバージョンが残っていないかを確認する方が現実的です。また、zipファイルなどの圧縮フォルダに鍵がかかっている場合、「Piap」などの暗号化解除ツールが存在することもありますが、最新の暗号化方式(AES-256など)でロックされている場合は解析に天文学的な時間がかかるため、事実上解除は不可能です。さらに、Windowsのログインパスワードを忘れてパソコン自体に鍵がかかっている状態であれば、マイクロソフトアカウントのパスワードリセット機能を使ったり、別の管理者アカウントからログインしてパスワードを変更したりすることで解決できる可能性があります。デジタルの鍵は情報の漏洩を防ぐための盾ですが、管理を怠ると自分自身を締め出す壁にもなってしまいますので、パスワード管理ツール(1Passwordなど)を活用して複雑なパスワードを一元管理し、忘却リスクとセキュリティ強度を両立させることが、現代のナレッジワーカーに求められる必須スキルなのです。